2018年12月26日水曜日

快調!大太鼓合宿2018、来年も打ち込み続けます!

待ちに待った大太鼓合宿!

今月12月上旬に行われた大太鼓合宿『Oh!太鼓 Vol.83』を振り返る。




初日の一日は打ち込みと決めていた。

これなら太鼓が初めての人でも、参加できる。
実際にはこの日は経験者ばかりだったのだけど、大太鼓が初めての方がお一人。



初日は、ゆっくりゆっくりスタートして、どんどんどんどんと熱くなっていく。

体全身で時間をかけて打ち込んでいく作業は、この太鼓合宿でしか経験できない。



今回の参加メンバーも特に熱いメンバーばかりだった。

今年最後の合宿だからか、
大太鼓合宿の過去現在のスーパー常連メンバーが集結していたので、
搬入も進行も非常に楽。

そして打ち込みにも集中できた。
やはり太鼓の稽古はこうでなくっちゃという稽古が出来た。







宴会も熱く、時間が経つのがえらく速い。

最初時計を見た時が9時半で、だいぶ飲んだと思ってまた見た時が10時半で、
こりゃまだ時間がたっぷりあるなと思っていたら、
次に見た時はすでに12時半を過ぎていた。
飲んで喋っていると時間の感覚が無くなるのが、正しい宴会だ。

慌てて合宿初参加のMさんを連れて僕は部屋に戻る。
他の皆さんを残して。。。








そして合宿二日目は、『Belle lle(ベリール)』一色だった。

これは前回合宿から稽古が始まって、今回は二回目の稽古となる。



僕の作曲法は色々あるが、
今回の作曲は二段階で作っていく方法。
初段階は僕の頭の中だけで考え、二段階目は実際にその曲を叩くメンバーがそれを打つことで見えてくる音を形作っていく作業。

二段階目の今回が二回目。来年2月の稽古が三回目で完成を目指す。



作曲とは何なのかと思う。
音の材料・テーマやオカズは僕が用意をして、そこにプレイヤー・登場人物が現れると物語が動き出す。
どう語らせるのかが作曲の醍醐味ではないのか‥‥。

誰がどこでどう語るのか?
それが見えないことには、物語が進んでいかない。

大事な一日だった。

七人のメンバーが物語を作ってくれた。

音が形となって見えてくるものを記録する。それが作曲。
皆の気持ちが一つと成れた時、それが現れる。




今回の曲に関しては、最初に曲名が決まった。
『Belle lle(ベリール)』フランス語で美しい島という意味。


その後、中身に悩んでいた時、観た映画が『クレイジーリッチ』で、
この映画を見た後の帰り道、主人公であるレイチェルとニックが語り合い踊るようなリズムが聞こえてきて、それをこの太鼓曲の土台としてみた。
しかし、曲の基本は出来たもののそこから先に進まず、二人の姿もその後見えなくなってしまっていた。


結局、レイチェルとニックは帰って来なかったが、替わりに、
おりょうと清之輔が紅璃瑠(べにりる)を手に現れた。
 ※これは当時、僕が読んでいた時代小説の影響があったのだろう。


そんな風に少しずつ曲は形になっていくのだけれど‥‥‥








短い昼休み、参加者の一人・Sさんが文庫本を手に読みふけっていた。

11月から忘年会シーズンが始まり、
これまで連日忘年会を仕切っているという某有名菓子会社接待部長であるSさんは、睡眠時間3時間で今日も稽古に参加してくれている。

そんなSさんが寸時を逃さず何を読んでいるのかと気になり近づいた僕だったが、察したSさんは僕の視線を遮りすぐさまその本を閉じた。

「何を読んでいたんですか?」と問う僕に、

「頭が疲れたので、何も考えずにいられるものを読んでいただけですよ」と涼しげに答える。
いつもこんな一言で女性を口説き落としていたに違いない。


体を見ればラクビー一筋の体育会系男子だが、実は無類の本好き。
連夜の接待部長も下戸のSさんならでは務まるのかもしれない。


この風体から想像できなかったSさんの意外な特技がもう一つある。
それが踊りだ。

僕はこれまで勿論世界数多色々な踊りを観てきたが、
Sさんの踊りにはどう表現して良いのか分からない風味と色気がある。
しかも御本人はチラリと見せるだけで、すぐに隠してしまうものだから、
こちらは余計に見たくなってしまう。

余程、興に乗らねば動かない舟のようだ。


そしてベリール(「美しい島」という意味)に辿り着く最後には、この舟が必要なような気がしてならない。








恥ずかしがり屋のSさんは、この写真からも逃げて写っておりません。






来年もやります続きます、富田和明的太鼓合宿『Oh!太鼓』!



2月10-11日(日・祝月)Oh!太鼓 Vol.84』



3月16-17日(土・日)Oh!太鼓 Vol.85』

以上の二つは発表会用の稽古となりますが、
3月16日の稽古は、太鼓が初めての方でもかまいません。

また4月以降のものは、一般の方いつでも大歓迎です!







来年も、よろしくお願い申し上げます。

皆様、佳いお年をお迎え下さい。









淡路島の海をバックに‥‥‥

富田和明


2018年11月1日木曜日

『富津じねんじょ音頭』が聞こえる秋

気が付けば11月、2018年も残り二ヶ月を切った。


一日(ついたち)は色々と手続きがあって、それが終わった後、天気も良いので千葉に行くことにした。
特に理由はないが、たまには美味しい寿司でも食べたいなと思い。

それで東京アクアラインを通って木更津 道の駅へ行き、地元名産品物を拝顔した後、
スーパー回転寿司やまと君津店に行く。


せっかくなので、お隣の富津市に住む太鼓アイランドメンバーで屋根屋のKさんに電話を掛けてみたら、
大忙しの仕事中だというのに、わざわざ会いに来てくれた。

しかも巨大自然薯と冬瓜のお土産も一緒に、
「富津(ふっつ)じねんじょ音頭」という舞を踊りながら、
寿司屋の駐車場に現れる。





ハァ〜 秋は じねんじょ 他でもないが
長く伸びたる芋と根を とろろ味噌汁 麦とろ飯に
かけて祝うは 山の幸 
命のばして ふっつ、ふっつ、富津の里に〜 




Kさんは、歌も唄える屋根の上の太鼓打ちだ。




後光が射したようなKさんの笑顔に出会えると、つい空想の世界に引き込まれてしまう僕だ。




鱈腹寿司を頬張って、またアクアラインを引き返し家路に付く。
高速道路を使えばかなり近い。




家に帰って、頂いた自然薯を広げたら、かなりの大きさだった。
隣に笛を一緒に置いてみた。

さて、これをいったいどうやって食べればいいのだろうか?






夜は寒くて、初めて灯油ストーブを点けた。
暖かい。

いよいよ冬の到来だ。





そう思った途端、再びKさんの歌声が僕の耳を襲った。



ハァ〜 冬は じねんじょ 他でもないが
力湧き出る餅のよに 揚げてうまいは磯辺揚げ
やいて恥ずかし 焼き餅よ 
胸を焦がして ふっつ、ふっつ、富津の里に〜 

2018年10月31日水曜日

響和館、日曜太鼓二講座の時間と料金を改定しました!

目黒区祐天寺/太鼓の里・響和館開催、
富田和明 日曜太鼓二講座の時間と料金を改定しました。

 
11月4日(日)から以下のようになります。
『日曜-大太鼓基礎講座』
11:00-12:30 90分 3,500円+税(3,780円)
『日曜-スキヤキ屋台囃子講座』
12:50-14:50 120分 5,000円+税(5,400円)
 
まだ定期講座となって、11月が三回目となります。
参加者募集中です。

 
お申込みは、響和館まで
Tel/03-3714-2774(月曜休館) 
kyouwakan@aroma.ocn.ne.jp
http:/www.asano.jp/kyouwakan/
東京都目黒区五本木2丁目15-9 秀永ビルB1















2018年10月25日木曜日

レイチェルとニックは歌う〜大太鼓合宿『Oh!太鼓 Voi.82』

気持ちの良い秋の空だった。
合宿日和。

太鼓を叩くのは地下音楽室なんだけれど、それでもやはり気持ちも晴れる。





初日。

午後の部は、皆で最初はゆっくりと体の様子を見ながら叩き、
そして徐々にガンガンにと叩きまくる。

基本の動作、単純なリズムを繰り返し、また少し頭の体操になるような遊びも入れながら叩く。

普段トラックの中に入ったままでカバーに包まれている大太鼓を、
カバーから出して空気に触れさせると、皮がやっと呼吸を始める。
だから最初はどうしても固い音だ。

それを少しずつほぐして叩いていくと、自分の体も同じようにほぐれていく。
皮がしっかりと呼吸をして音が馴染んで来る頃、こちらの体も場の空気と音に馴染んでくる。




夜の部は打ち込みの後、大太鼓ソロについてレクチャーをした。

一人ずつに僕がテーマを出して叩いてもらう。
これはちょっと初心者の人には無理なので、長い人だけ。


例えば、秋の虫、鈴虫コオロギの虫の音が聞こえる秋を、Tさんのテーマに出すと、

彼の自宅庭で繰り広げられる秋の虫達の声が聞こえてきた。
最初それは小さな声だったが、囁きが競演へと広がっていく。
すると聞いている僕もその中の虫の一匹となり、庭の中で声を上げていた。
そして最後はまた、夜のしじまへと消えていった。


Jさんには、月光、秋の月、をテーマに出してみると、

彼女に何があったのか、電気も付けずに自宅に戻った夜、
畳の上で一条の光が彼女の帰りを待っていた。
その光りに誘われるように窓を開けてみれば、鮮やかに満ちた月がその空に見える。
輝きが彼女の頬を濡らす涙を映そうとした時、薄い雲がゆっくりとやってきて、
月光を曇らせた。



そのような風景が、彼らが叩く太鼓から聴こえ見えてきた。



構え方や叩き方や、大きい音や小さい音をキチンと出すことも大事だ。

でもそれだけではダメだ、心が宿っていないと何も伝わらない。
逆に言えば、叩き方が滅茶苦茶で、リズムも喩えバラツイたとしても、
必死で何かを考えた時、また考えようとした時、何かを表現したいと思った時、
聞く人たちを別の世界に連れて行く力を持つことがある。


大太鼓って叩くのも、聴くのも楽しい。















二日目は、参加メンバーほぼ総入れ替わり、新曲を叩いた。

とは言ってもこの曲はまだ完成していない。


皆さんと一緒に、皆さんに叩いてもらって、段々とその姿が浮き彫りになり、
形を創っていくことになるんだけれども、
まだ今回は一回目の稽古なので、まっさらなところから第一歩を踏み出したと言える。



この新曲は、先にタイトルを決めた。
僕の作曲あるあるの一つ。


最近気になった言葉があって、その言葉を使いたいと思ったからだ。
そこに最近見た映画の主人公がやって来て、男女二人の会話が始まった。

それが、レイチェルとニック。
映画のタイトルは、『クレイジー・リッチ!』




この映画にものすごく感動したわけではなかったのに、
僕が頭の中で太鼓曲の構想を練っていた時に、この二人が突然にやって来て、
会話が始まったというわけ。

二人の、穏やかで時に賑やかな話を聞いているのは心地良い。

出会いからプロポーズまでのシーンを振り返ったところで、曲の大枠が出来た、と思う。



ちなみに僕の新曲とこの映画の内容は、まったく関係がありません。
ただこの二人がやって、僕の想像の扉を開いただけの話。



こうやって作られた曲のテーマやオカズを、あれこれと合宿で叩いてみると、実際の太鼓曲の姿が現れ、音へと変わっていく。

大太鼓の音に包まれると、頭の中だけで考えた音や、小さい太鼓の音とはまるで違う空気が流れ出す。
誰がどの太鼓をどのように叩いていたかでも、音がまるで違って聞こえる。

そして、
このリズムを何度も叩いていると、大太鼓の音が、これから先の行くべき場所へと導いてくれる。

その場を作る仲間たちが、新しい曲の産声を上げさせてくれるのだ。



女と男が出会い、色々な事と遭遇して、最後に行き着く場所が、
『Belle Île』。

日本語ではベルイル、ベリールと書く、フランス語で「美しい島」という意味。
これが、この曲のタイトル。






二日目の稽古では一枚の写真を撮る間もなく、休憩も少しで、ずっとアレコレと集中して一日叩いていた。

いや、一枚だけ撮ったのはあった(特に意味はありませんが、偶然)。
それがコレ。






楽しい二日間が過ぎました。













次回の大太鼓合宿は、12月8-9日(土・日)。

あなたもレイチェルとニックに会いに来ませんか?(あくまでも想像の世界ですが)

一日目は、いつもの基本打ち込みのみ、歳末叩き合い。
二日目が、ベリール(Belle Île)を叩きます。




今年最後の大太鼓合宿、参加者募集中!