待ちに待った大太鼓合宿!
今月12月上旬に行われた大太鼓合宿『Oh!太鼓 Vol.83』を振り返る。
今月12月上旬に行われた大太鼓合宿『Oh!太鼓 Vol.83』を振り返る。
初日の一日は打ち込みと決めていた。
これなら太鼓が初めての人でも、参加できる。
実際にはこの日は経験者ばかりだったのだけど、大太鼓が初めての方がお一人。
初日は、ゆっくりゆっくりスタートして、どんどんどんどんと熱くなっていく。
体全身で時間をかけて打ち込んでいく作業は、この太鼓合宿でしか経験できない。
今回の参加メンバーも特に熱いメンバーばかりだった。
今年最後の合宿だからか、
大太鼓合宿の過去現在のスーパー常連メンバーが集結していたので、
搬入も進行も非常に楽。
そして打ち込みにも集中できた。
やはり太鼓の稽古はこうでなくっちゃという稽古が出来た。
宴会も熱く、時間が経つのがえらく速い。
最初時計を見た時が9時半で、だいぶ飲んだと思ってまた見た時が10時半で、
こりゃまだ時間がたっぷりあるなと思っていたら、
次に見た時はすでに12時半を過ぎていた。
飲んで喋っていると時間の感覚が無くなるのが、正しい宴会だ。
慌てて合宿初参加のMさんを連れて僕は部屋に戻る。
他の皆さんを残して。。。
そして合宿二日目は、『Belle lle(ベリール)』一色だった。
これは前回合宿から稽古が始まって、今回は二回目の稽古となる。
僕の作曲法は色々あるが、
今回の作曲は二段階で作っていく方法。
初段階は僕の頭の中だけで考え、二段階目は実際にその曲を叩くメンバーがそれを打つことで見えてくる音を形作っていく作業。
今回の作曲は二段階で作っていく方法。
初段階は僕の頭の中だけで考え、二段階目は実際にその曲を叩くメンバーがそれを打つことで見えてくる音を形作っていく作業。
二段階目の今回が二回目。来年2月の稽古が三回目で完成を目指す。
作曲とは何なのかと思う。
音の材料・テーマやオカズは僕が用意をして、そこにプレイヤー・登場人物が現れると物語が動き出す。
どう語らせるのかが作曲の醍醐味ではないのか‥‥。
誰がどこでどう語るのか?
それが見えないことには、物語が進んでいかない。
大事な一日だった。
七人のメンバーが物語を作ってくれた。
音が形となって見えてくるものを記録する。それが作曲。
皆の気持ちが一つと成れた時、それが現れる。
今回の曲に関しては、最初に曲名が決まった。
『Belle lle(ベリール)』フランス語で美しい島という意味。
その後、中身に悩んでいた時、観た映画が『クレイジーリッチ』で、
この映画を見た後の帰り道、主人公であるレイチェルとニックが語り合い踊るようなリズムが聞こえてきて、それをこの太鼓曲の土台としてみた。
しかし、曲の基本は出来たもののそこから先に進まず、二人の姿もその後見えなくなってしまっていた。
結局、レイチェルとニックは帰って来なかったが、替わりに、
おりょうと清之輔が紅璃瑠(べにりる)を手に現れた。
※これは当時、僕が読んでいた時代小説の影響があったのだろう。
そんな風に少しずつ曲は形になっていくのだけれど‥‥‥
短い昼休み、参加者の一人・Sさんが文庫本を手に読みふけっていた。
11月から忘年会シーズンが始まり、
これまで連日忘年会を仕切っているという某有名菓子会社接待部長であるSさんは、睡眠時間3時間で今日も稽古に参加してくれている。
そんなSさんが寸時を逃さず何を読んでいるのかと気になり近づいた僕だったが、察したSさんは僕の視線を遮りすぐさまその本を閉じた。
「何を読んでいたんですか?」と問う僕に、
「何を読んでいたんですか?」と問う僕に、
「頭が疲れたので、何も考えずにいられるものを読んでいただけですよ」と涼しげに答える。
いつもこんな一言で女性を口説き落としていたに違いない。
体を見ればラクビー一筋の体育会系男子だが、実は無類の本好き。
連夜の接待部長も下戸のSさんならでは務まるのかもしれない。
この風体から想像できなかったSさんの意外な特技がもう一つある。
それが踊りだ。
僕はこれまで勿論世界数多色々な踊りを観てきたが、
Sさんの踊りにはどう表現して良いのか分からない風味と色気がある。
しかも御本人はチラリと見せるだけで、すぐに隠してしまうものだから、
こちらは余計に見たくなってしまう。
余程、興に乗らねば動かない舟のようだ。
そしてベリール(「美しい島」という意味)に辿り着く最後には、この舟が必要なような気がしてならない。
恥ずかしがり屋のSさんは、この写真からも逃げて写っておりません。
来年もやります続きます、富田和明的太鼓合宿『Oh!太鼓』!
2月10-11日(日・祝月)『Oh!太鼓 Vol.84』
3月16-17日(土・日)『Oh!太鼓 Vol.85』
以上の二つは発表会用の稽古となりますが、
3月16日の稽古は、太鼓が初めての方でもかまいません。
また4月以降のものは、一般の方いつでも大歓迎です!
来年も、よろしくお願い申し上げます。
皆様、佳いお年をお迎え下さい。
淡路島の海をバックに‥‥‥
富田和明