2016年3月5日土曜日

玉祭噺 その弐〜トーク齊富誕生前夜





チキチントントン チキトントン チキチキトントト テテドンドン
テケドコテケドコテケドコドンドン ットコドンドン  ットコ ットコ  ドコドン

え~ あなたが叩きたいの? それとも君が?

いえいえ私が、太々喜亭、玉祭でございます


 
前回は初めてのトーク齊富が始まるきっかけについてお話させて頂きましたが

今日はトーク齊富が始まるもっと前の 富田さんと齊藤さんコンビが誕生するきっかけを作ったのは

山下洋輔さんとのジョイントコンサートだったというお話でございます


 
今でこそ 和太鼓界はどんなジャンルのどんな皆様方とどんなコンサートを開いても

驚かれたり、騒がれたすることはほとんどなくなった かと思いますが


 
1984年という頃は まだそうではなかった

その時 初めて太鼓とピアノジャズバンドの本格的な響宴がスタートした年でした


 
初めての稽古は 営業時間が終了した後の新宿ピットイン 深夜0時?

まだざわめきの余韻が残るテーブルと椅子を一カ所に集めまして

そうして作られた空間に太鼓を並べて 稽古が始まりましたが

その最初に 洋輔さんが語った言葉を まだ富田さんが覚えておりました


 
「え~ 今夜の稽古は 太鼓とピアノ 太鼓とジャズ そして太鼓と音楽世界の歴史的な瞬間になることと思います」

こうやって始まった鼓童と洋輔さんジョイントコンサートですが

この中の一曲にボレロのラベルがありました 

いや ラベロのボレル? 

ボロボロのラベル?


 
いえいえ ラベルのボレロ!?

はい、そのボレロの曲が始まる前に 冒頭の締め太鼓の音に繋がる寸劇をやったのです


 
当時も今も洋輔さんは筒井康隆さんと互いの大ファンであられまして 

富田さんもその万分の一くらいかは筒井教の信者でありまして 

どうしてもやりたかったのがアレだと 言っておったのであります

 
すなわち口唱歌(くちしょうが)で会話をして それが音になっていく

ということで ありました

それを栄一さんとやった これが のちのトーク齊富誕生へと繋がるわけでございます


 
寸劇は練習をしません

コンサート本番が始まってから そのボレロの曲が始まる前の数分前に 舞台袖で話して決めていました

 
「きょうは 貫一お宮でいこう」

「きょうは われら青春!だ」

「きょうは 忠臣蔵にしようか‥‥‥‥」

と かなり古いです 何の話が分からないみなさんが多いかと思いますが


 
とにかく設定を決めて どっちがどっちを演るかだけを決めて 舞台に飛び出していた

その勢いが良かったんでしょうか

ずいぶんと当時のお客様には 喜ばれたそうです


 
コンサートが終わって楽屋見舞に来られた筒井シンパの皆様からも お褒めの言葉を頂いたのを覚えているそうでございます

この中の一部はレコードにもなっているのですが 寸劇の声はさいごの最後の部分しか収録されていません

残念なことにこの演技は 声の音だけでは分かりにくいと カットされたのでございましょう

 
ともかく

山下洋輔さんとのジョイントコンサートがなければ

あの寸劇を披露する事もなく 二人のコンビ誕生のきっかけもなかったのかもしれません


 
あのコンサートから約20年弱の年月が流れ 再び二人が出会った時 富田さんの脳裏には

ポッと あの舞台の感覚が蘇ったのでございましょう


 
そういうことで 次回はトーク齊富のお話に戻りたいと思います


今日はこの辺で 失礼いたします



 
 
え~? あなたが叩きたいの? それとも君が?

いえいえ私が、太々喜亭、玉祭でございました


ありがとうございました





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歴史的な始まりとなった新宿ピットインでの稽古は、1984年11月3日から4日にかけての深夜に行われた。午前4時終了と日記にある。


『山下洋輔 VS 鼓童 エキサイティングコンサート』
初演は、1984年11月21日、岐阜市文化センター開館記念事業として企画された。
その後、1985年には全国ツアーを行い、最終日は大晦日の年越しライブ!

満員御礼札止めのホール 年が明けて劇場中客席ロビーも駆け巡った 遠い昔

詳しくは、『万里の未知も一打から・2』をご覧下さい。



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