1967年に開園した淡路島モンキーセンターから或る一匹の猿が里に下りた。
後年その猿が姿を化え太鼓のバチを持つようになったのが、のちの窪田美香である。
と書くと本人に怒られるが、
それくらい彼女には天性の野性の輝きと勘が内包されているように思える。
片や、
かつては横浜元町ショッピングモールのウィンドウから抜け出したお嬢様と呼ばれ、
すれ違う男性が皆必ず三度見しては首を痛めたと言われるのが、のちの橋本美和である。
と書けば、これまた本人から怒られるが、
それくらい彼女には上品さと気品が漂っているように感じられる。
美女と野獣。
どちらが美女でどちらが野獣かなど野暮なことは言わない。
が、
太鼓の演奏が始まると、信じられないことにこの二つが逆転する瞬間を見ることがある。
まさにMIWAKA通にとっては、それを堪能することこそが正調な楽しみ方と言えよう。
一曲目が『石敢當』
日本語で読めば「いしがんとう」、沖縄に行けば至る所で魔除けとして今でも見られる文字だが、
僕はこれを「サシビ」と読む太鼓の曲を作った。
サシビは、朝鮮語で42のこと。
僕が42歳の厄年の時、厄除けの曲として作った横打ち曲だ。
二曲目が『ういろう打ち』
「ういろう売り」のセリフを太鼓の曲にしたいと考えて2000年に作った曲。
ういろう売りのセリフの間に富田作のセリフが入る形に今は落ち着いている。
記念公演では、当初富田とMIKAWAの三人バージョンを考えていたが、
「富田なしの女子二人だけでの方が面白いのでは」
と平沼から助言を貰い変更、結果その通りとなった、と思う。
MIKAWA結成10周年の祝辞に替えて。