2018年10月31日水曜日

響和館、日曜太鼓二講座の時間と料金を改定しました!

目黒区祐天寺/太鼓の里・響和館開催、
富田和明 日曜太鼓二講座の時間と料金を改定しました。

 
11月4日(日)から以下のようになります。
『日曜-大太鼓基礎講座』
11:00-12:30 90分 3,500円+税(3,780円)
『日曜-スキヤキ屋台囃子講座』
12:50-14:50 120分 5,000円+税(5,400円)
 
まだ定期講座となって、11月が三回目となります。
参加者募集中です。

 
お申込みは、響和館まで
Tel/03-3714-2774(月曜休館) 
kyouwakan@aroma.ocn.ne.jp
http:/www.asano.jp/kyouwakan/
東京都目黒区五本木2丁目15-9 秀永ビルB1















2018年10月25日木曜日

レイチェルとニックは歌う〜大太鼓合宿『Oh!太鼓 Voi.82』

気持ちの良い秋の空だった。
合宿日和。

太鼓を叩くのは地下音楽室なんだけれど、それでもやはり気持ちも晴れる。





初日。

午後の部は、皆で最初はゆっくりと体の様子を見ながら叩き、
そして徐々にガンガンにと叩きまくる。

基本の動作、単純なリズムを繰り返し、また少し頭の体操になるような遊びも入れながら叩く。

普段トラックの中に入ったままでカバーに包まれている大太鼓を、
カバーから出して空気に触れさせると、皮がやっと呼吸を始める。
だから最初はどうしても固い音だ。

それを少しずつほぐして叩いていくと、自分の体も同じようにほぐれていく。
皮がしっかりと呼吸をして音が馴染んで来る頃、こちらの体も場の空気と音に馴染んでくる。




夜の部は打ち込みの後、大太鼓ソロについてレクチャーをした。

一人ずつに僕がテーマを出して叩いてもらう。
これはちょっと初心者の人には無理なので、長い人だけ。


例えば、秋の虫、鈴虫コオロギの虫の音が聞こえる秋を、Tさんのテーマに出すと、

彼の自宅庭で繰り広げられる秋の虫達の声が聞こえてきた。
最初それは小さな声だったが、囁きが競演へと広がっていく。
すると聞いている僕もその中の虫の一匹となり、庭の中で声を上げていた。
そして最後はまた、夜のしじまへと消えていった。


Jさんには、月光、秋の月、をテーマに出してみると、

彼女に何があったのか、電気も付けずに自宅に戻った夜、
畳の上で一条の光が彼女の帰りを待っていた。
その光りに誘われるように窓を開けてみれば、鮮やかに満ちた月がその空に見える。
輝きが彼女の頬を濡らす涙を映そうとした時、薄い雲がゆっくりとやってきて、
月光を曇らせた。



そのような風景が、彼らが叩く太鼓から聴こえ見えてきた。



構え方や叩き方や、大きい音や小さい音をキチンと出すことも大事だ。

でもそれだけではダメだ、心が宿っていないと何も伝わらない。
逆に言えば、叩き方が滅茶苦茶で、リズムも喩えバラツイたとしても、
必死で何かを考えた時、また考えようとした時、何かを表現したいと思った時、
聞く人たちを別の世界に連れて行く力を持つことがある。


大太鼓って叩くのも、聴くのも楽しい。















二日目は、参加メンバーほぼ総入れ替わり、新曲を叩いた。

とは言ってもこの曲はまだ完成していない。


皆さんと一緒に、皆さんに叩いてもらって、段々とその姿が浮き彫りになり、
形を創っていくことになるんだけれども、
まだ今回は一回目の稽古なので、まっさらなところから第一歩を踏み出したと言える。



この新曲は、先にタイトルを決めた。
僕の作曲あるあるの一つ。


最近気になった言葉があって、その言葉を使いたいと思ったからだ。
そこに最近見た映画の主人公がやって来て、男女二人の会話が始まった。

それが、レイチェルとニック。
映画のタイトルは、『クレイジー・リッチ!』




この映画にものすごく感動したわけではなかったのに、
僕が頭の中で太鼓曲の構想を練っていた時に、この二人が突然にやって来て、
会話が始まったというわけ。

二人の、穏やかで時に賑やかな話を聞いているのは心地良い。

出会いからプロポーズまでのシーンを振り返ったところで、曲の大枠が出来た、と思う。



ちなみに僕の新曲とこの映画の内容は、まったく関係がありません。
ただこの二人がやって、僕の想像の扉を開いただけの話。



こうやって作られた曲のテーマやオカズを、あれこれと合宿で叩いてみると、実際の太鼓曲の姿が現れ、音へと変わっていく。

大太鼓の音に包まれると、頭の中だけで考えた音や、小さい太鼓の音とはまるで違う空気が流れ出す。
誰がどの太鼓をどのように叩いていたかでも、音がまるで違って聞こえる。

そして、
このリズムを何度も叩いていると、大太鼓の音が、これから先の行くべき場所へと導いてくれる。

その場を作る仲間たちが、新しい曲の産声を上げさせてくれるのだ。



女と男が出会い、色々な事と遭遇して、最後に行き着く場所が、
『Belle Île』。

日本語ではベルイル、ベリールと書く、フランス語で「美しい島」という意味。
これが、この曲のタイトル。






二日目の稽古では一枚の写真を撮る間もなく、休憩も少しで、ずっとアレコレと集中して一日叩いていた。

いや、一枚だけ撮ったのはあった(特に意味はありませんが、偶然)。
それがコレ。






楽しい二日間が過ぎました。













次回の大太鼓合宿は、12月8-9日(土・日)。

あなたもレイチェルとニックに会いに来ませんか?(あくまでも想像の世界ですが)

一日目は、いつもの基本打ち込みのみ、歳末叩き合い。
二日目が、ベリール(Belle Île)を叩きます。




今年最後の大太鼓合宿、参加者募集中!