『KODO 記写録 1981-89/撮影 TOMIDA Kazuaki』第13巻(1984年4月30日〜6月14日)』は、
コペンハーゲンで日本料理店のご夫妻に大変お世話になり、デンマークツアーから西ドイツ、西ベルリンで石井眞木作曲・輝夜姫の初演、東ベルリン観光、
アムステルダムでは強盗に襲われたりのオランダツアー、それからアメリカに渡ってニューオーリンズでの万博出演の後
二週間の特別休暇で私はプエルトリコに飛ぶ
この中から、今月の一枚 (9枚)はこれにした
1984年5月9-10日
ドイツ連邦共和国/西ドイツ Köln ケルン
WDR(西ドイツ公共放送局)スタジオにて、リハーサルと本番
1984年5月13-14日
ドイツ連邦共和国/西ドイツ West-Berlin 西ベルリン
ベルリンオペラ劇場・Oper Berlin での長い一日 輝夜姫の初演
ベルリンオペラ劇場公演の日は、朝9時からの搬入で本番開始が22:30、終演が翌日の2:30
途中休憩を含めて上演時間が約4時間、アンコールが30分以上も続くのでこの時間になる
しかもお客さんは、ほぼ満席の1900人
その後 3時頃から打ち上げが始まり、終わって劇場の外に出たのは4時半を過ぎていた
こんな劇場の使い方が日本でも出来るのかどうか知らないが、
ヨーロッパでは日付をまたぐことが普通にある
それにしてもこのベルリン公演は特別に長い一日だった
1984年5月16日
オランダ Nederland・アムステルダム Amsterdam
80年代当時日本では「夜明けのアムステルダム」という言葉がTVCMによって流布されていた
早く目が覚めてしまったその朝、僕もその「夜明けのアムステルダム」を撮影しようとホテルを出た朝の4時
しかし、まだ早過ぎたようだ、お空も港も駅付近もどこもかしこも真っ暗け
それでもただ一箇所だけ明かりが煌々と灯る一帯があって、お腹も減っていたのでその方向へ自然と足が向いた
気が付いた時、背後から歌を口ずさむ声が聞こえた
その歌声がハッキリと耳に届いた時、嫌な予感がして道を曲がると
途端に背後の足音が弾み、僕を追ってきた
「ヘイ!何を探しているんだ?」「金を出せ!」「隠すんじゃないぞ」と
二人の黒人が僕を捕まえ、腹と右目上に軽いパンチを食らわした
僕は何の抵抗もしなかった
ヘタに抵抗したら何をされるかも分からない
人影のまったく見えない朝5時前の街角、そこは夜明け前のアムステルダムだった
その日の朝食時『早起きは200ギルダーの損』とテーブルで揶揄われ笑い話となっただけで済みましたが
1984年6月14日
プエルトルコ Puerto Rico・クレブラ島 Culebra
フラメンコ ビーチ Playa Flamenco
マイアミからカリブ海に浮かぶプエルトリコ島に飛んだのは、たまたまだった
最初に行ったマイアミビーチが何の感動もなく、島に行こうとプエルトリコを選んだが、これが大きな島で四国の半分だと後で知る
もっと小さな島がいいと、最後に辿り着いたのがクレブラ島
ここで僕が知る今までで最高のビーチと出会う
それが Playa Flamenco フラメンコビーチ
快晴の下泳いでいると、突然の雨雲が襲いかかり、激しいスコールに打たれ、そしてまた何事もなかったような青空に還る
海水からポッカリと頭を出せば、双の白馬が白砂を駆け、牛の群れが悠々と歩くのを眺めた
残念ながら、その写真はありません