今回も土日太鼓合宿、怒濤の二日間が終わりました。
久しぶりに叩いた『発響(はっきょう)』。
(一日目は、基本打ち込み中心/二日目は曲が中心)
(一日目は、基本打ち込み中心/二日目は曲が中心)
打ちながら懐かしい風景を思い出していた。
十年前の夏、2006年8月、
淡路島の山間にある生穂第二小学校体育館の一角を一週間ほどお借りして、
コンテスト出場の為の曲稽古と自作曲創りを行った。
僕の三尺三寸平胴太鼓を体育館に運び込んで、稽古をさせてもらった。
まだ元気だった親父に車で送ってもらい、帰りは志筑の実家まで歩いて帰る日々が続く。
そこで産まれたのが『発響(はっきょう)』だ。
この時の曲創りは、一時間ほど自由に太鼓を叩いてそれをビデオで撮り、
「あそこは乗っていたな……」
「あそこは良かったかな……」
という部分を楽譜に起こしてみて、整理をする。
それを何度も繰り返していくうちに、曲は出来た。
生穂第二小学校は、当時十数人の生徒数で全員が太鼓を叩く太鼓小学校だったので、太鼓を叩くことに理解があった。
僕の稽古は学校の活動時間や、地域の活動時間以外の空き時間に行う。
でもお盆の時期だったので、かなり自由に使えたと思う。
自分一人と太鼓の時間。
太鼓の音が止んだ時、広い体育館には蝉の音だけが響く。
そんなにずっと集中して太鼓を叩いていられるわけではない。
叩いては休み、
叩いては休み、
蝉は太鼓の音と競うかのように鳴いていたのかもしれない。
しかし、そこには静寂があった。
暑い夏の汗だらけの静寂。
外に出れば、これでもかと言うような青い空と山の緑だ。
稽古の最終日、小学校のみんなや地域の方々も集まってもらい交流会のようなことをした。
みんなでそれぞれの太鼓を叩き、聞き、最後に僕の大太鼓を皆で叩いてもらった。
この三年後、小学校は廃校となる。
親父は二年前に鬼籍に入った。
あの夏、稽古をしていた体育館に、射込む夕陽の長い影が床を写す。
その床に大の字で寝転んで、高い天井をずっと眺めていた。
久しぶりに叩いた『発響』は、
そんな夏の日日を思い出させてくれていた。
第69回 富田和明的太鼓合宿『Oh!太鼓』参加の皆様と過ごした二日間
※Sさんからの差し入れ。
本格焼酎『大和桜』どちそうさまでした!
次回は、いよいよ第70回!
富田和明的太鼓合宿『Oh!太鼓 Vol.70』
11月12-13日(土・日)
お申し込み、ご参加お待ちしております!